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髄膜炎から乳幼児守れ、ワクチン導入を学会が訴え 乳幼児が死に至ることもある細菌性髄膜炎を予防する「Hib(ヒブ)ワクチン」のわが国への導入が、大幅に遅れている。新薬の承認審査がなかなか進まないからだ。 世界の先進国ではワクチン接種で髄膜炎が激減しているのに対し、わが国では毎年600人の子どもが髄膜炎を発症し、死亡や後遺症に苦しむ家族が後を絶たない。日本外来小児科学会は26日、横浜市で開く春季集会でHibワクチンの必要性を訴える。 Hibは「インフルエンザ菌b型」が正式名で、肺炎や敗血症など様々な感染症の原因となる細菌。冬に流行するインフルエンザのウイルスとは違う。 わが国では、「細菌性髄膜炎」の約6割がHibによって引き起こされ、5歳未満の乳幼児2000人に1人が発症する。患者の5%が死亡、25%に後遺症が残る深刻な病気だ。 Hibワクチンは、1980年代後半からまず先進国で普及し、米国では導入後、髄膜炎の患者数が100分の1にまで激減した。 98年には、世界保健機関(WHO)が定期予防接種を推奨、各国で導入が広がった。現在、開発途上国を含めた世界100か国以上で使われている。薬の承認すらされていない国は、先進国では日本だけだ。 国内では、患者数の実態が明らかになった90年代後半以降、製薬会社が治験を開始、2003年3月にHibワクチンの新薬承認を国に申請した。 しかし、3年が経過した今も承認されていない。新薬は通常、2年以内で承認されることが多く、日本小児科学会は昨年6月、厚労省に早期承認を求める要望書を提出したほどだ。 理由について、審査業務を行う独立行政法人・医薬品医療機器総合機構は「個別の審査状況は、守秘義務があり答えられない」としているが、一部の小児科医は「機構の審査員の不足による手続きの遅れでは」とも推測している。 26日の日本外来小児科学会でこの問題について講演する宮崎千明・福岡市立西部療育センター長は「後遺症に苦しむ患者を目にしている現場の小児科医としては、1日も早く承認してほしい」と話している。(2006年3月25日14時31分 読売新聞)