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MMR接種訴訟、国の過失認定確定へ…大阪高裁 ◆賠償請求は棄却 新三種混合(MMR)ワクチンの接種後に死亡したり、重度の障害が残ったりした子供3人の家族らが、国に計1億2000万円の国家賠償を求めた訴訟の控訴審判決が20日、大阪高裁であり、横田勝年裁判長は、ワクチンを製造した財団法人「阪大微生物病研究会(微研会)」(大阪府吹田市)が、違法な製造変更を行ったことに対する国の指導監督義務違反を再び認定。そのうえで1審被告の微研会が既に賠償金などを支払ったことにより損害は補てんされたとして、3家族の請求を棄却した。形式的に勝訴した国は上告できず、国の過失責任を認めた司法判断が確定する。 横田裁判長は判決で「予防接種の実施主体である国は、(微研会などに対し)薬事法に基づく立ち入り検査などをすべきだったのに何もしなかった」と、国の過失を指摘。1審・大阪地裁が請求を棄却した兵庫県の男児(死亡当時1歳6か月)についても、接種と死亡との因果関係は認めなかったものの、副作用に関する国の責任を認定した。 3家族は1993年12月と96年4月、国と微研会を提訴。2003年3月の1審判決は、大阪府の木下大輔ちゃん(死亡当時2歳11か月)と、重度の障害が残った岩手県の上野花さん(16)について、両者の責任を認定、連帯して約1億6900万円を支払うよう命じた。 3家族と微研会は、訴訟外で計約2億9000万円の支払いによる和解が成立。国と兵庫県の男児の両親がそれぞれ控訴、勝訴した2家族も付帯控訴していた。 MMR接種は、はしか、おたふくかぜ、風疹(ふうしん)の3種類の混合ワクチン。旧厚生省が89年4月、任意接種を開始したが、副作用の多発で93年4月に中止。認定被害者は、1040人にのぼる。 ◆「一斉に中止していれば」原告 判決後、原告らは記者会見。上野さんの父、秀雄さん(53)は「国が一斉に接種を中止していたら、こんなことにはならなかった」と悔しさをにじませ、大輔ちゃんの父、正美さん(47)は「国の責任がはっきりしたことには意義があった」とする一方、厚生労働省が今月、はしかと風疹ワクチン混合のMR接種を開始したことについて、「危険があれば、すぐに見直す体制を取ってほしい」と強調。 原告弁護団は「高裁での判断だけに他の薬害訴訟にも大きな影響を与えるのではないか」と評価した。 中島正治・厚労省健康局長の話「国民が安心して予防接種を受けられるような体制づくりに努める」(2006年04月21日 読売新聞)