この前とある地方の小児科の先生達とお話した。

　その地域の小児救急医療は壊滅状態らしい。

　基幹病院の小児科先生の多くはバーンアウト（燃え尽き）した。開業し当直から離れる人もいる。人が減っても補充ができない。輪番で当直を行っているが、担当病院もだんだん少なくなってきている。家庭に入った女医は、なかなか当直しようとしない（できない）。残った基幹病院の小児科医に負荷がどんどん掛かり、ついには燃え尽きてしまう。

　悪循環。

　厚労省も色々と考えているが、今のところ解決には至っていない。

　色々と書くと愚痴になってしまう。ひとまず終えよう。

　「ロッキード」を連想しては、年が知れるか。

　最近は節分で、大豆ではなくピーナッツを撒くことが多くなった。おそらくは衛生のためだろう。ピーナッツは外殻をはずすので、中身を汚さずに食べられる。

　しかし、幼児のいるところでピーナッツを撒くのはいただけない。ピーナッツには誤嚥（気管支に入る）事が考えられる。

　砕けたピーナッツ気管支にフィットする。ピーナッツ油で気管支が機械的炎症を起こす。そうなると、ピーナッツはなかなか外れることはない。むせる。細菌が入って肺炎の原因になる。
　取り出すのも大変だ。ふやけたピーナッツは最近の豆腐のようにグズグズしているので、そっと取り出したつもりでもさらに細かく砕けて奥へ入ってしまう。

　ピーナッツ入りチョコレートでも起こる。ソラマメでも起こりうる。

　防ぐのは周りにピーナッツを置かないのが一番だ。

　こんなタイトルを書いて、何となく嫌になった。「女医」があって「男医」という名称がないのはなぜか？そもそも「女医」と十派一絡げにしてよいのか？

　とある女医が研修医（はい私のことです）に「私、今日体調悪いから当直代わって」と言われた。体調悪いとはどういうことだろう？あまり詮索をしてはいけない。私は前日も当直で、つまり連直（連続当直）になる。体力的にはきつかったが、代わってあげた。正直ツラかった。４８時間以上寝ていない。
　その女医さんは、そのときデートをしていたという。翌日涼しい顔をして出勤してきた。
　そういった事が重なって、その女医さんは疎まれるようになった。しかし、その女医さんは「私は女医だから、差別されている」と嘆いていた。なんだかなぁ。

　どこかの女医さんが「女は男の３倍働いて、男と同等とみなされる」と言っていた。これは多少ルサンチマン（平たく言えば恨み節）があるのだと思う。実際のところは、女医がした事は男医よりも、悪いところは3倍目立つ、ということになるのだと思う。あるいは、折中か？

　小児科にも女医さんが多くなった。それ自体は喜ばしい。また「突然の妊娠」というのもある。それはそれで喜ばしい。しかし、「突然の退職」でとばっちりを受けるのは、他の医師なのだ。「来週から、○○県の△病院（結構遠い）に行ってきて」と言われることも少なからずある。それが続くと引っ越し貧乏になる。また、「子供発熱したから、仕事を変わってください」と朝突然言われることもある。急な人事で病院はてんてこ舞いだ。このままの状態で、今後小児救急は成り立つのだろうか？

　もちろん、妊娠の原因（こういう書き方も変であるが）や子どもの育児・看病を一方の性にのみ押し付ける風潮は、何とかしたい。

　ところで、一般の会社ではどうなのかな？

　懲りもせず「女医ネタ」行きます。
　私の知る限りで恐縮だが、小児外科の女医さんは少ない。しかも小児外科で結婚している女医さんはさらに少ない。結婚しても、「旦那さんだけ」とか「子どもだけ」というパターンが多い。「旦那さんと子どももいる」というのはあまり聞いた事が無い。それだけハードな仕事なのだ。

　私の周りでも、現役の小児科女医で子沢山というのはあまりいない。産婦人科ではどうだろう？知り合いの産婦人科女医に聞くのはタブーかな？

　女医として、出産や子どもに携わる仕事をすればするほど、自らの子育ての機会が減ってしまう。因果な商売だ

　医学生になって驚いたこと（いくつかあるが）は、教科書の値段の高さだ。

　5000円以上はざら。一万円を超えるのもある。今ではもっと高くなっているのだろう。
　大学の教授が書いた教科書で、その大学医学部でしか使わないというものもある。つまり年に100部くらいしか売れないのだ。
　他学部では、ちゃんと教科書を買ったかどうか教官が確かめるために、教科書の一部をレポートなどに貼り付けることもあるらしい。私の医学部では、なかった。

　先輩からのお下がりをもらうか、バイト代を稼ぐか、親（恋人？）の臑を噛るか。教科書を買わないなんていう兵（つわもの）もいたが、玉砕した。

　基礎、臨床、そして医師国家試験の教科書を買い揃えると、かなりの金額になる。1－2万円は、誤差の範囲内だ。

　一人の人間が一人前の医師になるのに、国公立であれ私立であれ一億円くらいの費用がかかるということを以前聞いた。今ではもっとかかるかもしれない。書籍代など誤差の範囲だ。