報道のタブーにはいろいろある。その中のひとつに、「読者を批判してはいけない」というのがある。

　人には誰でもナルシシズムな面がある。他人を批判するのは容易いが、自分自身を批判するのには長けていない。他人（社会）を批判した文章を読むと心地よいが、自分自身や自分の身の回りの人が批判されるのは耐えられない。

　新聞が読者を批判する記事を書けば、読者が離れてしまう。

　公害問題でも、生活排水を問題にする代わりに大工場の排水を問題にしたほうが、一般大衆の共感を得やすい。

　「悪人」を作り上げ、徹底的にたたくのもマスコミのやり方だ。ホリエモンやオジマモンの批判はするが、ライブドアの株を買った人やヒューザーのマンションを買った人の批判はまずしない（誤解が無いように書いておくが、私はライブドア株やヒューザーマンションを買ったことについて非難するわけではない。バランスがあまりにも悪いことを、言いたいのだ。）。

　これは医療でも同じこと。

　一般にマスコミやマスコミ受けしやすい医者は、ほかの医者や製薬会社の批判はする。しかし、患者自身の批判はまずしない。

http://www.oyako-net.com/medicine_info/200631_0603010017/

　「小児科医の減少の原因（マスコミが書かない部分）。子どもの診療を嫌がる小児科医は極稀ですが、クレーマーと化し、医師に暴力、暴言を吐いてくる親、何かあったら訴えるぞという親（ほとんど暴力団同然）これが小児科医の士気を低下させ、小児救急衰退の原因になっていることを知っていらっしゃる方はどのくらいでしょうか？」

　ここまで書けるマスコミというのは、なかなかいない。

　少し訂正