児童虐待についての報道が最近多くなった。

　だからといって、児童虐待が急に増えたのではない。報道されるようになっただけだ。

　以前は虐待があってもなかなかニュースにならなかったし、虐待に対するアクションもなかなかとりにくかった。

　いろいろな理由があるが、「子どもは親の所有物だ（しつけの範囲内）」「民事不介入だから警察は動かないし私たちも動かない」「家族内のプライバシー」とか、そういった考えに集約されると思う。間違った意見だが、これがまかり通っていた。
　虐待をDV(ドメスティックバイオレンス）に置き換えてみよう。「妻は夫の所有物だ（一般的な注意の範囲内）」と言われたら、あなたはどう思うか？

　因みに幼児虐待やDVに対する「民事不介入」という幻想は、「児童虐待の防止等に関する法律（児童虐待防止法）」と「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律（DV防止法）」で消えている（はずだ）。平成になってからの法律だ。

　あと虐待に対する予防的な行動（親権の取り上げ、監視など）にたいして否定的な意見も多い。

　児童虐待に対する道のりは遠い。