今日の報道ステーションで産婦人科医療の危機を報道していた。草加市立病院で産婦人科医が全員撤退してしまったため、お産が取り上げられなくなったのだという。

　ちょっと待ってほしい。つい一ヶ月前には、公立病院で産婦人科医が逮捕されたことについて報道していたのではないか。今日の報道では、産婦人科医のきつさ（3K）については報道していたが、自身が報道していた産科医療に対して不信感をあおるような報道については触れていなかった。

　一般的に医療訴訟ではマスコミは、意図的ではないにせよ医療側を悪者に描く。報道で訴訟のことについて、産婦人科医が悪いという姿勢で報道すればするほど産婦人科医を目指す研修医が減るし、公立病院に勤めようとする産婦人科医は減る。
　それで、かつての自身の報道姿勢を批判することなく、産婦人科医減少を問題にする。

　こういった自分で焚きつけておいて、その後問題になったことについて他人事のように報道する姿勢は、まさにマッチ＆ポンプだ。滑稽に見える。

　しかしマスコミの力は大きい。ぶれた報道のせいで、現場の医療は混乱する。

　「マッチ-ポンプ」の一般的な説明はこちら。
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%A5%DE%A5%C3%A5%C1%A5%DD%A5%F3%A5%D7&jn.x=32&jn.y=8&kind=jn&mode=0